history
私は当時、生物を学ぶ学生でした。学生生活は苦痛だった思い出があります。体質的に酒を飲むことができず、学生の遊びについていくことが出来ませんでした。同級生とは上手くコミュニケーションが取れず、孤独な日々を過ごしました。人と会わず、寝るか、食べるか、夜勤をするという日々の中で、私は徐々に精神を病んでいきました。
そんな中、青井硝子さんの雑草で酔うという本に出会いました。
雑草で酔うは、生きづらさを感じる人のストレス解消法として、薬草(雑草)を用いて社会に適応しよう といった趣旨の本でした。孤独で酔うことも出来なかった私にとって、希望のようにも思えました。私は、植物を学び始めました。道端の雑草を喫煙したり、お茶にして飲んだり、精油を吸引したり、論文を読む中で、植物の有用性を知りました。
植物を知る中で、CBDにも出会いました。
CBDは大麻由来の成分で、不安や炎症の緩和、てんかん治療に科学的効果があります。依存性が弱く、副作用が少ないことで知られ、日本でも合法的に利用することが出来ます。私は、植物やCBDを知る過程で、徐々に健康な精神を取り戻していきました。
その当時、世界はグリーンラッシュの最中で、大麻の合法化運動が起こり、市場規模が大きく成長していました。私は植物に無限の可能性を感じ、新卒でCBD業界に飛び込みました。
OFF株式会社に入社した私は、tokyo mooonのCBDベイプや、オイルの製造責任者として勤務しました。OEM部門を立ち上げ、50以上のCBDブランドのベイプ、オイルを作りました。
CBD商品の開発は、暗中模索でした。CBD商品のレシピはどこにも書かれておらず、CBD原料を無駄にしながら、作り方を考える日々でした。失敗を繰り返しながら得た経験で、クライアントの思いを形にしていく仕事は、裁量が大きく、やりがいがありました。
一方で、予算や、ブランディングの関係から、「もっとこうした方がいいのに」ともどかしく思うことも多々ありました。この経験から、自分が満足できるものを作りたいという漠然とした思いが生まれました。
この頃から、作成した植物製品を持ち歩き、自分が抱えるニーズを満たせるように改良を重ねるようになりました。
例えばCBDハーブは、タバコを吸うときの気持ち悪さや、ケミカル臭さを軽減するために開発しました。手巻きタバコを吸うたびに、混ぜるハーブの量を少しずつ変えて、試行錯誤しました。ハーブの喫煙は趣味で、日々研究を重ねています。製品に込めた思いは、ここでは語りきれないので、また別で書こうと思います。
自分の課題を解決できる製品への愛着は日に日に強くなり、もっと多くの人に広めたいと思うようになりました。これがsawを立ち上げようと思ったきっかけです。
こうして半生を振り返ると、私は、変わった切り口から植物と関わることで、日常のちょっとした課題を解決してきたように思います。私の経験や、思いを詰め込んだ製品が、みなさんの課題を解決できたら嬉しく思います。
篠崎颯太
2020 - 東京理科大学 応用生物科学科 卒業
大学に馴染めず、鬱病を発症。青井硝子さんの雑草で酔うという本に出会い、植物の勉強を始める。
2022 - 東京大学大学院 先端生命科学科 修士課程 修了
アゲハチョウの擬態に関する研究で、令和3年度 修士論文特別奨励賞を受賞。次席修士論文。
2021 ~ 2023 - OFF株式会社
CBD商品のOEM部門を立ち上げ、製造責任者として勤務。tokyo mooonや、その他CBDブランドのベイプ、オイル商品の作成に従事。
2023 ~
個人事業主として活動開始