CBD, CBG, CBN, CBCは、シミやメラノーマ(ホクロのガン)の治療に使用される可能性があります。
こちらの記事では、論文について、以下を解説します。
- カンナビノイドは、メラノーマの生存率を下げる
- CBD, CBG, CBNは、メラニンの合成量を下げる
- カンナビノイドは、チロシナーゼ(メラニン合成酵素)の活性を下げる
①カンナビノイドはメラノーマの生存率を下げる
対象:B16F10細胞(マウス由来のメラノーマ細胞株)
投与:CBD, CBG, CBN, CBC(6.25, 12.5, 25, 50, 100 μg/ml)
方法:各カンナビノイドの処理後、B16F10細胞を48時間培養し、細胞の生存率を測定
図3
縦軸:B16F10細胞の生存率
横軸:各カンナビノイドの濃度
CBD, CBN, CBG, CBCは、濃度依存的にメラノーマ細胞株の生存率を下げる
②CBD, CBN, CBGはメラニンの合成量を下げる
対象:B16F10細胞(マウス由来のメラノーマ細胞株)
投与:αMSH(10nM), CBD, CBG, CBN, CBC(2.5, 5 μg/ml), KA(200 μg/ml)
αMSH…メラニン合成を促進する
KA…コウジ酸、メラニン合成を抑制する(ポジティブコントロール)
方法:αMSHの処理後、各カンナビノイドとB16F10細胞を48時間培養し、メラニン濃度を測定
図4(a), (b)
縦軸:細胞外のメラニン濃度(αMSH投与時の濃度を100%)
横軸:投与した物質
結果
2.5 μg/mL(図4a)では、CBDのみ、メラニンの細胞外含量を有意に減少させた(52.49%)。一方、5 μg/mL(図4b)では、CBGとCBNが、CBDよりもメラニンの細胞外含量を有意に減少させた(それぞれ29.76%と34.14%)。
図4(c), (d)
縦軸:細胞内のメラニン濃度(αMSH投与時の濃度を100%)
横軸:投与した物質
結果
CBD、CBG、およびCBNは、5 μg/mL(図4d)のみ細胞内含量を有意に減少させた(それぞれ67.87%、61.25%および60.59%)。
CBCは細胞外および細胞内のメラニン含量に重要な調節効果を示さなかった。
③カンナビノイドはメラニン合成酵素の活性を下げる
投与:CBD, CBG, CBN, CBC, KA(50, 100, 200 μg/ml)
図6
縦軸:チロシナーゼ活性(コントロール投与時の活性を100%)
横軸:投与した物質と濃度
結果
CBN、CBCおよびCBGは、100および200 µg/mLでキノコチロシナーゼに対する阻害活性を示した(図6a)。マウスチロシナーゼ阻害アッセイでは、CBNのみ中程度の活性を示した(図6b)。