柑橘系精油の光毒性

柑橘系精油の光毒性

柑橘系精油には、光毒性がある場合があります。

 

こちらの記事では、以下を解説します。

  1. 光毒性
  2. ベルガプテンを多く含む柑橘
  3. 症例報告
  4. 考察
  5. ヤードム使用上の注意

 

①光毒性とは?

柑橘系精油を皮膚に塗布し、紫外線を浴びると、赤く腫れたり、色素沈着を起こす場合がある。このような性質を光毒性という。

特に、フロクマリンの一種であるベルガプテンは、柑橘系精油の光毒性の主な原因とされる。

ソラレン、キサントトキシン、イソピムピネリン等のフロクマリンも、光毒性のある物質として知られる。

 

ベルガモットの写真

Image by 41330 from Pixabay

 

②ベルガプテンを多く含む柑橘類

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精油中のベルガプテン濃度

精油中のフロクマリン類分析を引用し作成

 

国際香粧品香料協会(IFRA)の基準では、ベルガプテン濃度は、15 mg/kg以下であれば安全とされる。

 

③光毒性の症例報告

Pubmedで "Phototoxicity Citrus" のFree full textを検索すると20件の論文がヒットした。

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図1 脚の発疹

Phytophotodermatitisより引用
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図2 経過観察3ヵ月後の色素沈着した皮膚(膝を除く)

Phytophotodermatitisより引用

 

上の2枚の写真は、レモンやライムの汁をかけたタコスを食べるときに、こぼした汁を体に塗りたくった方の症例報告。

 
画像図1 末梢性炎症を伴う出血性水疱

Challenging cause of bullous eruption of the hands in the Arcticより引用

 

上の写真は、別の症例報告。原因は、ライム果汁への曝露と、北極圏の白夜による長時間の日光曝露の組み合わせ。

 

④考察

IFRAによると、精油中のベルガプテン濃度が15 mg/kg以下であれば安全とされる。しかし、それに該当しないレモンやライムへの暴露でも、光毒性が見られる場合があることから、光毒性を受けやすい遺伝的、環境的な要因があるのではないかと思う。

 

⑤ヤードム使用上の注意

黄色 レモン × レモングラス
橙色 オレンジ × メイチャン

黄色と橙色のヤードムに含まれる精油のベルガプテン濃度は、15 mg/kg以下であり、安全と考えられます。

しかし、光毒性を持つ潜在的な危険性はあります。気になる方は、ヤードムを皮膚に付けないように使用してください。

筆者がヤードムを使った時は、鼻やその周辺の皮膚に、炎症・色素沈着が起こる様子はありませんでした。しかし、全ての人に光毒性が起こらないとは約束できません。そのため、注意喚起となるような記事を書きました。

 

⑥柑橘系精油を使用したヤードム商品

レモン、オレンジ精油を用いて、ヤードム(黄🟡、橙🟠)を開発しました。

ヤードムは持ち運び式のアロマ商品で、いつでもどこでも良い匂いを嗅ぐことが出来ます。

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参考文献
精油中のフロクマリン類分析
柑橘精油に含まれるベルガプテン量の比較
Phytophotodermatitis
Challenging cause of bullous eruption of the hands in the Arctic

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