柑橘系精油(リモネン)の抗不安作用

柑橘系精油(リモネン)の抗不安作用

柑橘の香りの主成分であるリモネンには、抗不安作用があることが知られます。

 

こちらの記事では、以下を解説します。

  1. 柑橘
  2. 柑橘系の香り成分
  3. リモネン
  4. リモネンの抗不安作用

 

柑橘とは?

科属:ミカン科ミカン属
原産:ヒマラヤ山脈南東麓、アッサム東部、ミャンマー北部、雲南西部など

Image by Hans from Pixabay

 

②柑橘系精油に含まれる成分

オレンジ

リモネン…….95.33%
消化促進、鬱滞除去、抗感染、血流促進、殺菌、抗ウイルス、免疫刺激、肝臓強壮、腎機能強化

ミルセン……1.81%

香りの精油辞典 P19より引用

 

レモン

リモネン…….67.10%
消化促進、鬱滞除去、抗感染、血流促進、抗菌・ウイルス、免疫刺激、肝臓強壮、腎機能強化

β-ピネン……11.51%
抗感染、抗炎症、鬱滞除去、空気浄化

γ-テルピネン……9.22%
抗感染、鬱滞除去、静脈強壮、抗炎症、空気浄化

α-ピネン……1.85%
サビネン……1.80%
ゲラニアール……1.50%
昆虫忌避、活力増強、抗炎症、鎮痛、結石溶解、抗菌・真菌・ウイルス、消化促進、抗ヒスタミン、鎮静

香りの精油辞典 P207より引用

 

主成分はリモネンで、ミルセン、ピネンなどを含む。主成分であるリモネン分子が小さいため、容易に皮膚を透過し、皮膚を刺激するとされる。

 

③リモネンって何?

特有の芳香がある揮発性の油、テルペンの一種。
柑橘系の精油に良く含まれており、何かが欠けたレモンの香りがする。

 

柑橘系の木とアゲハ蝶

 

④リモネンの抗不安作用

図1(a) リモネン臭気曝露による抗不安作用の用量依存性

対象: スイス (Mus musculus) アルビノマウス(雄)
方法高架式十字迷路試験
投与:0, 0.5, 1.0, 2.5%に希釈したリモネンを2.5ml注入した綿を、ボックスの四箇所に置いた。ボックスにマウスを7分間滞在させ、リモネン臭を暴露した。

高架式十字迷路試験では、オープンアームで過ごした時間が長いほど、不安が少ないとされる。

図1(a)
縦軸:オープンアームで過ごした時間(秒)
横軸:リモネン量(%)
・Control INH:リモネン0%
・DLO 0.5% INH:リモネン0.5%
・DLO 1.0% INH:リモネン1.0%
・DLO 2.5% INH:リモネン2.5%
考察:リモネン0.5%、1.0%の臭気暴露時は、不安が少なくなる。

Anxiolytic-like activity and GC–MS analysis of (R)-(+)-limonene fragrance, a natural compound found in foods and plantsより引用

 

⑤考察

リモネンの匂いには抗不安作用がある。リモネンは0.5%と1.0%では抗不安作用がみられたが、2.5%では抗不安作用が見られなかった。

2.5%では抗不安作用が見られなかった結果に関して、論文の筆者らは

This negative result could perhaps be attributed to a day effect associated with animal variability.

という表現をしており、動物自体の不安定さが原因では無いかと主張している。つまり、実験個体数を増やせば2.5%でも抗不安作用が見られるのでは無いかと暗に主張している。

 

⑥柑橘系精油を使用したヤードム商品

柑橘系精油を用いて、ヤードム(黄🟡、橙🟠)を開発しました。

ヤードムは持ち運び式のアロマ商品で、いつでもどこでも良い匂いを嗅ぐことが出来ます。

仕事の合間や、リフレッシュしたい時にいかがでしょうか?

参考文献
Genomics of the origin and evolution of Citrus
Anxiolytic-like activity and GC–MS analysis of (R)-(+)-limonene fragrance, a natural compound found in foods and plants

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